「最近、ご飯を残すようになった」「前より食べる量が減った」
高齢の家族を見ていて、そんな変化が気になり心配になったことはありませんか。
年齢を重ねると食欲が落ちることはありますが「歳だから仕方ない」とは限りません。口の中の不調や便秘、水分不足、体調の変化などが隠れていることもあります。
この記事では、看護師として高齢者と関わってきた経験をもとに、ご飯を食べないときに考えられる原因とまず確認してほしいことを紹介します。

▽この記事を書いた人
看護師あざらし|現役看護師
✅急性期病院・訪問看護歴
✅看護師単発バイトで20か所以上勤務
✅実体験をもとに働き方・役立つ情報発信
高齢者がご飯食べなくなる主な原因
高齢者がご飯を食べなくなる原因は、さまざまな原因が考えられます。
① 加齢による食欲の低下
年齢を重ねると、友達が減ることや運動時の腰や膝の体の痛みなどによって運動量が減りお腹が空きにくくなったり、味やにおいを感じる力が低下したりすることがあります。
また、消化機能の変化によって、食事量が少なくなることもあります。
② 口の中や飲み込みの問題
歯や入れ歯の不具合、噛む力の低下、飲み込む力の低下なども、食事量が減る原因になります。
「硬いものを食べなくなった」「むせることが増えた」という変化がある場合は、口の機能が低下している可能性もあります。

在宅の現場でも、入れ歯が合わないことで物理的に食べられない場合もあります。
また、口の中が汚れているせいで食べる意欲がわかないという可能性もあるため口の中の観察を一度行うのもいいと思います。
③ 便秘や脱水などの体調不良
便秘や水分不足などによって体調がすぐれないと、食欲が落ちることがあります。
また、胃腸の病気などが食欲低下につながる場合もあるため、「食べないだけだから」と年齢のせいにしないことが大切です。
④ 薬の影響
高齢者は複数の薬を服用していることも多く、薬の副作用によって食欲が低下する場合があります。
食欲が落ちた時期と薬を飲み始めた時期が重なっている場合は、自己判断で薬を中止せず、医師や薬剤師に相談しましょう。
ご飯を食べないときに確認したいこと
ご飯を食べる量が減ったときは、「食欲がない」ということだけでなく、普段との違いを確認することが大切です。まずは、いつ頃から食事量が減ったのかを確認します。
急に食べなくなったのか、少しずつ減ってきたのかによって考えられる原因は変わります。
① 口の中を観察
口の中をみて乾燥や汚れはないか確認。入れ歯のサイズや口を開け閉めしたときにズレはないか。
② 水分はとれているか
食事だけでなく、水分も十分にとれているか確認しましょう。
高齢者では食事量が減ることで、食事からとれる水分も少なくなります。水分までとれなくなっている場合は、脱水にも注意が必要です。
③ 体重が減っていないか
最近、体重が減っていないかも確認したいポイントです。
高齢者は食事量の減少に伴って体重が減りやすく、体重減少はフレイルやサルコペニアとも関連しています。
④ むせや飲み込みに変化がないか
「食事中によくむせる」「水分でむせる」「食べる量が減った」といった変化がある場合は、飲み込む機能が低下している可能性があります。
「食べたくない」のではなく、食べること自体が負担になっているケースもあるため、こうした変化は見逃さないようにしましょう。
食べない状態が続くときはどうする?
一時的に食欲が落ちることはありますが、食べない状態が続く場合は、そのまま様子を見続けないことが大切です。
① まずは体調の変化を確認する
食事量だけでなく、急な変化かどうか: 1〜2日前から突然減ったのか、数ヶ月かけて徐々に減ったのかを確認します。
- 水分がとれているか
- 体重が減っていないか
- むせるようになっていないか
- 発熱や痛みなどがないか
- いつもより元気がないか
なども確認しましょう。
食欲低下が続くと、栄養不足や体重減少につながることがあります。逆に体調面の悪化をうまく表現できず食欲低下として表れている可能性もあります。
② 食べない状態が続くなら医療機関へ相談する
「年齢のせいだから」と決めつけず、食欲低下が続く場合は、かかりつけ医などに相談しましょう。
特に、体重が減っている、水分もとれない、体調が悪そう、食事中のむせが増えたといった変化がある場合は、早めの相談をおすすめします。
まとめ
高齢者がご飯を食べなくなる原因は、年齢による食欲の低下だけとは限りません。
口の中の不調や便秘、脱水、薬の影響、病気などが関係していることもあります。
食事量が減ったときは、いつから食べなくなったのか、水分はとれているか、体重が減っていないかなど、普段との変化を確認してみましょう。
食べない状態が続く場合や、体重減少、体調の変化、むせなどがある場合は、年齢のせいと決めつけず、医療機関に相談することが大切です。
参考文献

