高齢者は、加齢によってのどの渇きを感じにくくなったり、体内の水分量が少なくなったりするため、脱水になりやすい傾向があります。
この記事では、高齢者が脱水になりやすい理由とその対策を紹介します。

▽この記事を書いた人
看護師あざらし|現役看護師
✅急性期病院・訪問看護歴
✅看護師単発バイトで20か所以上勤務
✅実体験をもとに働き方・役立つ情報発信
高齢者が脱水になりやすい理由
高齢者が成人よりも脱水になりやすい理由を4つに分けて説明します。
1.体内の水分量が低下
そもそも人間の体内の水分量は成人で約60%。高齢者になると約50~55%にまで減少します。
理由としては高齢により、筋肉量の低下によって体内に保持できる水分が減ることや体内の代謝でつくられる水分が減るからです。
2.飲水量の低下
高齢者になると、のどの渇きに気づきにくくなったり、飲み込む力が弱くなったりすることで
飲む量が低下することがあります。
また、トイレが近くなってしまうから水分を控えるなどといった方もいます。

実際に、訪問看護で高齢の利用者さんに
1日の飲水量を聞くと把握していない方が多くいました。
飲んでいるよとおっしゃる方でも、量として確認すると1Lもいかないことも。
3.尿を作る・排出する機能の低下
腎機能の低下とともに尿をうまく濃縮できずに、体に必要な水分も排泄されてしまうことにより、脱水になりやすいです。
4.内服薬の影響
持病により普段の飲んでいる薬の影響で脱水になりやすいこともあります。
例としては、利尿薬を飲んでいる人、尿量を増やす作用のある薬を飲んでいる人などです。
高齢者の脱水症状と対策
脱水初期に見られる症状
皮膚のかさつきが見られ、口内が乾燥している
・のどの渇き
・発汗の減少
・皮膚の弾力性の低下
・尿量の減少
・めまい
・ぼーっとしている
・だるそうにしている

手の甲などの皮膚をつまんだときに、元に戻るまで時間がかかることがあります。
ただし、高齢者では加齢による皮膚の弾力低下もあるため、これだけで脱水を判断することはできません。あくまで目安としての確認方法の1つです。
初期症状がみられるときの対策
涼しい部屋で経口補水液などの水分を摂るといいです。少しずつ飲んでいきましょう。
脱水が進んだ場合
・下痢、嘔吐
・頭痛
・微熱
・呼吸数増加
脱水が進んだときの対策
口から飲める場合は、経口補水液など水分を摂りましょう。口から飲めそうにない場合は、医療機関の受診をお勧めします。
意識がおかしい・自力で水分が取れない場合は医療機関へ
・重度の血圧低下によるショック
・身体の痙攣(けいれん)
重症時の対策
すみやかに医療機関を受診しましょう。
高齢者の脱水を予防する方法
自分で水分を飲める場合は、のどの渇きがなくてもこまめに水分を摂りましょう。
脱水が疑われる場合には、状況に応じて経口補水液にした方がいいこともあります。
また、おやつにゼリーや寒天デザートなども水分と糖分を補給する方法としておすすめです。持病などで水分・塩分の制限がある場合は、自己判断せず医師などに相談することをお勧めします。
夏場は汗をかきやすく脱水の原因となります。夏には積極的にエアコンを利用し、室内を適温に保ちましょう。
参考文献
全国在宅医療マネジメント協会:高齢者の脱水症の症状|対処法と予防についても解説
厚生労働省:熱中症予防のための情報・資料サイト

