「お風呂から出たあと、高齢のご家族がふらついていた」
「高齢者がお風呂上がりにふらつくのはなんで?」
高齢のご家族がふらついている姿を見ると、転倒しないか、病気が隠れていないかと心配になりますよね。
高齢者がお風呂上がりにふらつく原因には、入浴による血圧の変化や水分不足、浴槽から急に立ち上がることなどがあります。
また、冬場などは、暖かい場所と寒い場所の温度差によって血圧が大きく変化する「ヒートショック」が関係することもあります。
ふらつきが転倒につながることもあるため、まずは安全な場所で休み、状態を確認することが大切です。
この記事では、高齢者がお風呂上がりにふらつく原因や、ふらついたときの対処法、医療機関に相談したほうがよい症状、ふらつきを防ぐ方法について解説します。

▽この記事を書いた人
看護師あざらし|現役看護師
✅急性期病院・訪問看護歴
✅看護師単発バイトで20か所以上勤務
✅実体験をもとに働き方・役立つ情報発信
高齢者がお風呂上がりにふらつくときに考えられる原因
お風呂上がりのふらつきには、入浴による血圧の変化や水分不足など、いくつかの原因が考えられます。以下にまとめました。
入浴によって血圧が変化する
入浴すると体が温まり、血管が広がることで血圧が下がることがあります。
さらに、浴槽から出て立ち上がると、体にかかっていた水圧がなくなることで血圧が低下し、立ちくらみやふらつきが起こることがあります。
入浴で水分が失われる
お風呂に入っている間は汗をかくため、体から水分が失われます。
水分が不足すると脱水につながり、ふらつきの原因になることがあります。
熱いお湯や長風呂
熱いお湯に長時間入ることも、入浴後のふらつきにつながる要因になります。
湯温が高いほど、出浴後の血圧低下が長く続くことがあります。
浴槽から急に立ち上がる
お風呂から出ようとして、浴槽から急に立ち上がることも、ふらつきの原因になります。
浴槽の中では体に水圧がかかっていますが、浴槽から出るとその水圧が一気になくなります。
その影響で血圧が低下し、ふらつきや立ちくらみが起こることがあります。
ヒートショックが関係することもある
ヒートショックとは、暖かい場所と寒い場所を行き来することで、血圧が大きく変動するなど、体に負担がかかる状態といわれています。
特に冬場は、暖房の効いた部屋から寒い脱衣所や浴室へ移動したり、温かい浴槽から寒い場所へ出たりすることで、血圧が大きく変化することがあります。
高齢者がお風呂上がりにふらついて「怖い」と感じたらどうする?
まず大切なのは、無理に歩かせないことです。
ふらついている状態で歩くと、脱衣所や廊下で転倒する可能性があります。
まず安全な場所で休む
ふらついている場合は、椅子などに座ってもらい、症状が落ち着くまで休みましょう。
立っていることが難しい場合は、無理に歩かせず、転倒しない安全な場所で安静にしましょう。
意識や会話の様子を確認する
「いつも通り話せているか」「呼びかけに普段通り反応しているか」など、いつもと違う様子がないか確認しましょう。
ふらつきの原因には脱水だけでなく、脳血管障害や心疾患などが関係する場合もあります。
水分をとれる状態なら少しずつ飲む
意識がはっきりしていて、自分で安全に飲める状態であれば、水分を少しずつとりましょう。
ただし、意識がもうろうとしている場合や、飲み込むことが難しい場合は、無理に飲ませないようにしてください。
こんな症状があれば医療機関に相談しましょう
お風呂上がりに一時的にふらつき、休むと改善する場合もあります。
一方で、ふらつきにはさまざまな原因があり、重大な病気が隠れていることもあります。
次のような症状がある場合は注意が必要です。
- 意識を失った
- 意識がもうろうとしている
- ろれつが回らない
- 手足が動かしにくい
- 強い頭痛がある
- 胸の痛みがある
- 息苦しさがある
- 立っていられないほどふらつく
- ふらつきを何度も繰り返す
- ふらついて転倒した
特に、突然ろれつが回らなくなったり、顔や手足の片側に異常が出たり、意識を失ったりした場合は、緊急性のある病気が隠れている可能性があります。
東京都健康長寿医療センターも、急に顔の片側がゆがむ、言葉がおかしくなるといった症状では、脳卒中の可能性があるため直ちに救急車を呼ぶよう案内しています。
高齢者のお風呂上がりのふらつきを防ぐには?
入浴前後に水分をとる
入浴による水分不足を防ぐため、入浴前に水分をとりましょう。
浴槽からゆっくり立ち上がる
浴槽から出るときは、急に立ち上がらず、手すりや浴槽の縁につかまりながらゆっくり立ち上がりましょう。

浴槽からの立ち上がりが難しい場合は、浴槽台や手すりなどの福祉用具を使用する方法もありますよ
本人の状況によって用具も変わりますので、ケアマネジャーや福祉用具専門相談員、訪問看護師などに相談してみるといいですよ。
熱いお湯や長風呂を避ける
入浴事故防止のために、湯温は41℃以下、湯につかる時間は10分までが推奨されています。
体調が悪いときや、入浴するとふらつく場合は、無理に入浴しないことも大切です。
家族がいる時間帯に入浴する・声をかける
一人暮らしではない場合、入浴前に家族へ声をかけておくことも事故予防につながります。

特に、すでに入浴後のふらつきを経験している場合は、家族がいる時間に入浴するなどの対応がよいですね。
脱衣所や浴室を暖めておく
冬場は、暖かい部屋と寒い脱衣所・浴室との温度差をできるだけ小さくしましょう。
入浴前に脱衣所や浴室を暖めておくことで、急激な温度変化を避けることにつながります。
まとめ
高齢者がお風呂上がりにふらつく原因には、入浴による血圧の変化、水分不足、熱いお湯や長風呂、浴槽から急に立ち上がることなどがあります。
特に入浴後は、血管が広がった状態で浴槽から出るため、血圧が低下してふらつきやすくなります。
また、冬場は暖かい場所と寒い場所の温度差によって血圧が変化する「ヒートショック」が関係することもあります。
入浴がお好きな方であれば、安心して入浴できるような環境で入浴するのが望ましいですね。「年齢のせいだから仕方ない」と決めつけず、ふらつきを繰り返す場合も医療機関に相談しましょう。
参考文献
消費者庁【高齢者第2弾_高齢者の入浴事故】

